新生児, 未熟児におけるAztreonamの薬動力学的並びに臨床的検討

書誌事項

タイトル別名
  • PHARMACOKINETICS AND CLINICAL STUDIES ON AZTREONAM IN NEONATES AND PREMATURE INFANTS (THE FIRST REPORT)
  • STUDY ON EFFECTIVENESS AND SAFETY IN MONO-THERAPY WITH AZTREONAM
  • 第1報Aztreonam単独投与による有効性及び安全性の検討

抄録

新生児, 未熟児におけるAztreonam (AZT) の体内動態及び臨床的検討を行つて以下の成績を得た。<BR>1.体内動態<BR>(1) 新生児, 未熟児にAZT10mg/kg又は20mg/kgをOne shot静注した際の投与30分後の血清中濃度は, それぞれ20.6~26.6μg/ml, 38.5~46.4μg/mlを示し, 以後漸減した。又, 10mg/kgと20mg/kg投与時の血清中濃度には用量依存性が認められた。<BR>(2) 血清中濃度半減期 (T1/2) は成熟児, 未熟児とも日齢の増加に伴い短縮する傾向がみられ, 未熟児では成熟児に比較して延長される傾向であつた。<BR>(3) AZT20mg/kgを1時間点滴静注した際の血清中濃度の推移は, One shot静注とほぼ同じ成績を示した。<BR>(4) AZT10mg/kg又は20mg/lkgをOne shot静注後6時間までの平均尿中排泄率は, 成熟児では日齢と共に増大する傾向であり, 26.2~54.3%を示し, 未熟児では一定の傾向が認められず, 17.5~45.1%であつた。点滴静注時の尿中排泄についてもOne shot静注時とほぼ同じ傾向であつた。<BR>2.臨床的検討<BR>(1) AZTの臨床評価可能対象症例は88例 (91疾患) で, 起炎菌 (グラム陰性桿菌) 検出例 (A群) は敗血症9例, 化膿性髄膜炎2例, 肺炎8例, 尿路感染症33例などを含む56例であり, 著効39例, 有効16例, やや有効1例, 有効率98.2%であつた。起炎菌不明例 (B群) は敗血症疑い4例, 肺炎3例及び子宮内感染4例の11例であり, 著効4例, 有効7例, 有効率100%と, 両群とも非常に優れた成績であった。なお, 感染予防の目的で投与された24例では, 全例において予防効果が認められた。<BR>(2) 起炎菌が検出された56例 (A群) のうち, 菌の消長が判明した53例の細菌学的効果は菌消失51例, 不変2例であり, 菌消失率は96.2%であった。<BR>(3) 副作用解析対象例80例中1例に軽度の軟便 (1.3%) がみられ, 臨床検査値異常は好酸球増多3例, GOT・GPT上昇2例, 血小板増多, GOT上昇, 及び血小板減少・GOT・GPT・LDH上昇が各1例にみられたが, いずれも軽度で一過性のものであつた。<BR>以上の体内動態及び臨床成績から, AZTの新生児, 未熟児における標準投与量は, 1回20mg/kgを生後0~3日齢は1日2回, 4日以降は1日2~3回静注, 又は点滴静注と設定した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205495936896
  • NII論文ID
    130004395110
  • DOI
    10.11553/antibiotics1968b.43.543
  • COI
    1:STN:280:DyaK3czisFGhsw%3D%3D
  • ISSN
    21865477
    03682781
  • PubMed
    2197468
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • PubMed
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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