抗真菌剤 (ラノコナゾール, アスタット液®) 鼓室内投与による内耳障害の検討

  • 工田 昌矢
    Department of Otolaryngology, Hiroshima University, School of Medicine
  • 夜陣 紘治
    Department of Otolaryngology, Hiroshima University, School of Medicine

書誌事項

タイトル別名
  • Experimental study on the ototoxicity of an anti-fungal agent (Lanoconazole, ASTAT® solution)

説明

新しく開発された抗真菌剤 (ラノコナゾール, 商品名: アスタット液) の内耳毒牲を走査電顕を用いてモルモットで検討した. 2%, 1%アスタット液, 溶剤のいずれにおいても7日間連続の鼓室内投与で蝸牛, 末梢前庭器の感覚細胞の感覚毛の散在性の脱落が認められた. これらの障害の程度は薬剤投与終了24時間後が最も強く, 投与終了後7日目では部分的な回復が認められた. 今回の障害に特徴的な感覚毛の脱落は溶剤に含まれるエタノールにより感覚毛の脆弱性が増したために引き起こされたものと考えられた. 一方, ラノコナゾールそのものに関しては耳毒性を有していないものと思われた. 鼓膜正常な動物にアスタット液を点耳した場合には耳毒性を示さなかったことより, ラノコナゾールは耳真菌症の治療に有用な薬剤であると考えられた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205498086912
  • NII論文ID
    130004404318
  • DOI
    10.11334/jibi1954.43.2_178
  • ISSN
    04477227
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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