日本白色種ウサギの自然発生悪性線維性組織球種の病理学的所見

書誌事項

タイトル別名
  • Pathology of Spontaneous Malignant Fibrous Histiocytoma in a Japanese White Rabbit

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説明

生後10年齢の日本白色種の雄ウサギの左胸部に皮下腫瘤を認めた。組織学的にこの腫瘤は線維芽細胞様細胞の花むしろ模様, 線維芽細胞様細胞や組織球様細胞や巨細胞が混在する多形性および粘液様などの混合領域より成る像を呈しており, 悪性線維性組織球腫 (MFH) と判定された。組織化学的に酸性ホスファターゼ, 非特異的エステラーゼおよびベータグルクロニダーゼは線維芽細胞様細胞, 組織球様細胞および巨細胞に認められた。また, 免疫組織化学的にフィプロネクチンの分布は主に組織球様細胞や巨細胞にみられた。電顕的観察において, この腫瘍を構成している細胞は線維芽細胞様細胞, 組織球様細胞, 巨細胞それに未分化細胞など, その種類も多彩であった。以上, 今回認めたウサギの自然発生MFHの形態学的特徴はヒトないし他の動物で報告されているMFHの形態とよく似ていた。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 38 (2), 165-169, 1989

    公益社団法人 日本実験動物学会

被引用文献 (1)*注記

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