マウス繁殖コロニーにおけるマウス肝炎ウイルスの血清疫学的観察

書誌事項

タイトル別名
  • Sero-Epidemiological Observation on Mouse Hepatitis Virus in a Mouse Breeder Colony
  • マウス ハンショク コロニー ニ オケル マウス カンエン ウイルス ノ ケッセイエキガクテキ カンサツ

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説明

毎週約6, 000匹のマウスを生産するコロニー由来のマウスについて既往反応によるMHVCF抗体の検索をした。退役種親マウスについて毎月検索を実施した。はじめて抗体が検出される前に, 離乳率の低下が観察されたが, 退役種親マウスの陽性率の上昇に伴い回復した。その後3年余にわたり, 退役種親マウスには毎月抗体が証明され, その陽性率ならびに抗体価は7~8ケ月の周期性を示し変動した。たまたま退役マウスの陽性率が比較的高い時期に離乳したマウスは, 3~4週令では抗体陰性であったが, そのまま汚染コロニーで飼育されたものは5~6週令で21~26%が陽性であった。また, 3~4週令でMHV汚染のない環境に隔離飼育されたものでも後には抗体が検出された。しかしながら, MHVの自然感染を耐過したマウスを妊娠させ, 出産直前にMHV汚染のない環境に隔離したところ, その仔には6~10週令で抗体は検出されなかったが, 汚染環境に出された対照群には証明された。ところで, 退役種親マウスの陽性率が比較的高い時期に離乳したマウスの陽性率は8~14週令になっても50%を越えることはなかったが, 非汚染コロニー由来のマウスを汚染コロニーで飼育すると8週令で60%以上が陽性であった。また, この場合死亡するものはなかった。汚染コロニー由来マウスふん便を無菌マウスに与えたり, 汚染アイソレータに無菌マウスを導入すると, その一部は死亡し生残マウスの大部分に抗体が証明された。

収録刊行物

  • 実験動物

    実験動物 22 (4), 295-301, 1973

    公益社団法人 日本実験動物学会

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