ラットにおけるpepsinogenの新しい多型遺伝子座 (<I>Pg-2</I>)

書誌事項

タイトル別名
  • A New Polymorphic Pepsinogen Locus (<I>Pg-2</I>) in the Rat (<I>Rattus norvegicus</I>)
  • ラットにおけるpepsinogenの新しい多型遺子座(Pg-2)〔英文〕
  • ラット ニ オケル pepsinogen ノ アタラシイ タケイ イシザ Pg

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抄録

ラット尿中にはPg-1遺伝子座の産物である2種類のpepsinogen (PG-1A及びPG-1B) のみが存在しているが, 胃粘膜中にはPG-1とは異なるpepsinogenが存在することが報告されている。Pg-1以外のpepsinogenの遺伝子座を見付けるため, アガロースゲル電気泳動法により, 近交系及びそのF1交雑種の胃粘膜の調査を行った。その結果このPG-1とは異なるpepsinogenのバンドが存在する系統と存在しない系統とがあり, バンドの存在するタイプがバンドの存在しないタイプに対して優性である常染色体性の単純なメンデル遺伝をすることが判った。われわれはこのpepsinogenの遺伝子座をPg-2と名ずけ, バンドのあるタイプをPg-2a, バンドのないタイプをPg-2oとした。またBN及びTM系を用いたlinkage testの結果, Pg-2Pg-1と非常に近く連鎖しており (3.7±1.8) , LGI (Hbb, p) , LG II (Acon-1, Mup-1) , LG IV (Hao-1, Svp-1) , LG V (Es-1, Es-3) , LG VI (Gc, h) , LG IX (RT1) , LG X (Fh, Pep-3) 及びAhd-2を含むLGには属さないことがわかった。Pg-2はラット近交系間に広く多型が存在し, また既報のLGとも連鎖していないので, ラットにおける主要な標識遺伝子の1つとして非常に有用な遺伝子である。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 36 (3), 267-272, 1987

    公益社団法人 日本実験動物学会

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