非近交ddマウスにおける乳癌ウイルス (MuMTV) 感染の実態

書誌事項

タイトル別名
  • MuMTV Antigen Expression and Mammary Tumor Incidence in Non-inbred dd Mice
  • 非近交ddマウスにおける乳癌ウイルス(MuMTV)感染の実態〔英文〕
  • ヒ キンコウ dd マウス ニ オケル ニュウガン ウイルス MuMTV カン

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説明

維持機関の異なる3種類の非近交系ddマウス, 即ちddO (阪大) , ddN (群馬大) , ddY (静岡実験動物農協) マウスについて, 乳汁中及び生体内諸臓器におけるMTV抗原発現を免疫学的方法によって検索した。乳汁中におけるMTV抗原発現をImmunodiffusion (ID) により検索したところ, ddO, ddNマウスでは初産乳より100%の抗原発現が認められ, ddYマウスではその発現は初産乳で23%であった。乳癌の発生率は, ddO (13%) , ddN (32%) , ddY (10%) , といずれもMTV抗原発現に比べて低率であった。また, MTV陰性BALB/c雌と各dd雄とのF1マウスにおいて, いずれも乳汁中にMTV抗原の発現が認められ, 非近交のddマウスにおいてもMTVの雄性伝達が予想された。またF1マウスの乳汁における抗原性は, 産次回数を経るに従って発現が増加し, 乳癌の発生も非近交ddマウスに比べ早期にかつ高率に認められた。また, MTV抗原の生体内臓器分布をmicro-IDで検索したところ, 雌の乳癌, 乳腺, 雄の二次生殖器 (精嚢腺, 凝固腺, 前立腺) 及び雌雄の唾液腺に高率に見出され, これらの臓器がマウスにおけるMTV感染に重要な役割を演じていることが示唆された。これらの非近交系ddマウスのMTVの特性は近交化されたDD/TbrのMTVと基本的に類似していた。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 31 (2), 107-111, 1982

    公益社団法人 日本実験動物学会

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