国際的な学力調査から見る日本の理科の学力とカリキュラムの変化との関連

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タイトル別名
  • An Analysis of the Relationship between Japan’s Science Achievement in International Studies and Changes in National Curriculum: Based on the Statistical Changes over Time in Common Items in Recent TIMSS Assessments in Eighth Grade Biology
  • 国際的な学力調査から見る日本の理科の学力とカリキュラムの変化との関連 : 近年のTIMSS調査における中学校第2学年生物領域の共通項目の変化に基づいて
  • コクサイテキ ナ ガクリョク チョウサ カラ ミル ニホン ノ リカ ノ ガクリョク ト カリキュラム ノ ヘンカ ト ノ カンレン : キンネン ノ TIMSS チョウサ ニ オケル チュウガッコウ ダイ2 ガクネン セイブツ リョウイキ ノ キョウツウ コウモク ノ ヘンカ ニ モトズイテ
  • ―近年のTIMSS 調査における中学校第2 学年生物領域の共通項目の変化に基づいて―

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抄録

本研究は, 国際的な学力調査から見た日本の中学生の生物領域における学力の経時的な変化の特徴に関して, 学習指導要領の改訂の観点から検討を加えるものである。分析対象として, TIMSS2007調査とTIMSS2011調査の中学校第2学年を用い, 共通項目における変化を統計的に捉えた。具体的には, 経時によって異なる集団間の項目母数のずれとしてこの統計的な変化を捉え, 項目反応理論のモデルを用いて分析した。分析に当たっては, TIMSS調査の標本抽出の特徴を考慮した。一方で, この共通項目をトピックによって質的に分類しておき, 統計分析の結果と対応させた。<br>上記の統計的な分析の結果, 生物領域の「細胞とその機能」のトピックにおいては, 平成22年度に中学校第2 学年だった生徒の方が平成18年度に同学年だった生徒に比べて, 能力特性の水準が同じだとしてもやや解き易い傾向が見られた。一方で, 生物領域の「生態系」の出題領域においては, 前者の生徒は後者の生徒に比べて, 能力特性の水準が同じだとしても解き難い傾向が見られた。以上の日本の学力の特徴について, これらのトピックに関連する学習指導要領の内容における力点の置かれ方の変化に着目して議論した。その結果, 「細胞とその機能」に関する統計的な分析結果は, 内容のつながりの明確化と学習時期の移行といったカリキュラム改訂の効果に関連するものと考察された。

収録刊行物

  • 理科教育学研究

    理科教育学研究 55 (1), 69-80, 2014

    一般社団法人 日本理科教育学会

被引用文献 (1)*注記

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