酸性条件下におけるカゼインの加熱ゲル形成
書誌事項
- タイトル別名
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- Formation of heat-induced casein gel under acidic conditions (pH≤3.60)
説明
<p> カゼインをpH 3.6以下,タンパク質濃度6%以上,70-85℃で加熱するとゲル化した。加熱ゲルのゲル強度は加熱温度,pH,タンパク質濃度に依存して増加した。しかし,90℃以上の加熱ではゲル強度が減少した。カゼイン溶液にNaClを添加すると加熱によるゲル形成が抑制された。動的粘弾性の測定によりカゼインを酸性条件下で加熱すると不可逆的な変化がおこることが明らかになった。未加熱の8%カゼイン(pH 2.8)は粘性成分より弾性成分が支配的だった。貯蔵弾性率(G′)と損失弾性率(G″)は3-40℃で加熱温度に依存して減少したが,40℃以上では増加に転じ,70℃で最大となった。加熱による構造変化後に冷却すると,G′とG″は温度の低下に伴い著しく増加し,70℃におけるG′とG″の極大は観察されなかった。加熱により形成したゲルを再加熱すると加熱温度に依存してG′とG″が減少した。酸性の加熱ゲルは熱可塑性であり,酸性ゲルやレンネットゲルとは異なる特性を有していた。</p>
収録刊行物
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- ミルクサイエンス
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ミルクサイエンス 67 (1), 15-21, 2018
日本酪農科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205509146752
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- NII論文ID
- 130006726180
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- ISSN
- 21880700
- 13430289
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可