下腹部手術既往症例の腹腔鏡下膀胱全摘術の検討

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  • シタハラブ シュジュツ キオウ ショウレイ ノ フククウキョウ カ ボウコウ ゼンテキジュツ ノ ケントウ

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説明

【目的】下腹部手術の既往がある腹腔鏡下膀胱全摘術症例を検討した <br> 【対象と方法】2009年12月より2013年6月まで腹腔鏡下膀胱全摘術を45例に施行した.5ポートで行い骨盤リンパ節郭清後,膀胱摘出,臍とポート間を5cm切開し膀胱回収,回腸を創外に誘導し腸管処理,回腸導管・新膀胱造設した.新膀胱では再気腹の後に腹腔鏡下に尿道と連続縫合した.10例で下腹部手術の既往を認め,既往のない症例と手術時間,周術期合併症につき比較検討した. <br> 【結果】下腹部手術既往の内訳は虫垂炎6例,S状結腸癌術後2例,回盲部癌術後1例,Yグラフト置換術後1例であった.尿路変向は回腸導管7例で新膀胱3例であった.全手術時間・出血量・同種血輸血の頻度・開腹移行の頻度・飲水,摂食開始日・在院日数では手術既往の有無で有意な差は認めなかった.しかし,手術既往症例ではポート設置からリンパ節郭清開始までに中央値22分と有意に時間を要し(既往なしでは10.5分),術後イレウス発症が5例(50%)と有意に頻度が高かった(既往なしでは11.4%). <br> 【結論】十分な注意を要するが骨盤内手術の既往がある場合でも腹腔鏡下膀胱全摘術は施行可能な術式である.

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