重合開始剤2-methyl-4'-(methylthio)-2-morpholinopropiophenoneの毒性評価
書誌事項
- タイトル別名
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- Estimation of toxicity on photoinitiator 2-methyl-4'-(methylthio)-2-morpholinopropiophenone
説明
【目的】現在までに,我々はプラスチック製容器に充填された注射剤中から重合開始剤2-methyl-4′-(methylthio)-2-morpholinopropiophenone(MTMP)を検出した。重合開始剤の毒性評価に関する報告は数報のみで,MTMPの毒性は不明である。そこで今回我々は,MTMPの毒性を網羅的に評価した。<br>【方法】細胞毒性は,ヒト末梢血単核球を用い,MTT assay法にて評価した。蓄積性は,ヒト由来肥満細胞株HMC-1への蓄積量で評価した。内分泌攪乱作用は,ヒト乳がん細胞株MCF-7を用い,E-Screen法にて評価した。炎症性サイトカイン産生能は,マウスマクロファージ細胞株RAW264.7およびJ774.1を用い,ELISA法にて評価した。変異原性は,サルモネラ5菌株を用い,Ames試験にて評価した。<br>【結果および考察】MTMPは,濃度依存的に細胞生存率を低下させた。また,カスパーゼ9阻害薬を前処置した結果,細胞死が抑制されたことから,細胞死はカスパーゼ9の活性を介したアポトーシスであることが示唆された。細胞内蓄積量は,曝露60分まで時間依存的に増加した。また,MTMP除去24時間後の細胞内蓄積量を測定した結果,約1/200に減少した。MTMPによるMCF-7増殖率は,濃度依存的に増加した。また,MTMPによる内分泌攪乱作用は,エストロゲン受容体拮抗薬を前処置した結果,MCF-7の増殖が抑制されたことから,エスロトゲン受容体を介した作用であることが示唆された。さらに,相対細胞増殖効果(RPE%)は75.91で,部分アゴニストであることが示唆された。炎症性サイトカインの産生能の評価では,TNF-αの有意な増加を認めた。一方,変異原性はMTMPおよびその代謝物いずれにおいても認められなかった。
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 42.1 (0), P-146-, 2015
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205550343808
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- NII論文ID
- 130005483410
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可