調理品でのトウガラシ辛味成分カプサイシンの定量

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タイトル別名
  • Determination of capsaicin, a pungent principle of hot pepper, in cooked foam

抄録

【目的】食品成分の機能性として、純粋な化合物を用いた生理作用の研究が盛んに行われているが、人が食する形態である調理品での化合物の安定性や定量については、あまり研究が行われていない。そこで、広く生理作用が研究されているトウガラシ辛味成分のカプサイシンについて、調理品での定量法を検討した。【方法】カプサイシンを含有する料理の中で、多成分を含み、もっとも定量が困難と予想されるカレーを試料とした。単独のスパイス、調製した混合スパイス、カレー・ルーで、抽出溶媒、処理方法、分析条件を検討した。【結果・考察】抽出には、溶媒としてアセトンを用い、室温で24時間以上浸漬することで、定量的にカプサイシンを回収できた。含水試料の前処理でよく用いられる凍結乾燥も検討したが、凍結乾燥処理は回収率を低下させた。カプサイシンの検出法としては、同族体の分離定量も可能なHPLCを用いた。電気化学検出器では、種々条件を検討したが、カプサイシンの特異的検出は達成できなかった。次に蛍光検出器を用い、励起波長280nm、蛍光波長320nmで検出したところ、カプサイシンのピーク付近に妨害ピークもほとんど見られず、良好な定量が可能であった。HPLCでの溶離条件としては、単一組成よりもメタノールの濃度勾配溶出を行った方がよりカプサイシンの分離・定量性が高まった。最後に、カプサイシン含有量が既知のトウガラシ粉末を用いてカレー・ルーを調製し、本法によりカレー・ルー中のカプサイシンを測定したところ、定量的にカプサイシンを検出できた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205558047488
  • NII論文ID
    130006956438
  • DOI
    10.11428/kasei.56.0.52.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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