入学時学生の調理技術と知識の実態

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タイトル別名
  • actual conditions on cooking training and knowledge of a new student

抄録

目的 近年、食材も料理も食情報も豊かに出回っているにもかかわらず学生の食の範囲は狭くかつ貧弱で、料理に関する知識や技術は著しく低下している。本調査は、入学時点の学生の調理技術と知識の把握を行い調理指導の参考にするために行った。 方法 2007年4月に、1年生の調理実習受講者79名に、日本料理141種類、西洋料理95種類、中国料理52種類について、1.一人で作ることが出来る、2.作ったことはあるが一人では作れない、3.作ったことはないが食べたことはある、4.名前は聞いたことがあるが説明できない、5.名前を知らない、の5段階で該当する番号を記入させた。 結果 1/3以上の学生が自分一人で作れると答えた料理は、ご飯類では日本料理より洋風のものが多く、麺類では和風のものが多い傾向がみられる。主菜は和・洋とも卵料理が上位を占め、ハンバーグステーキがそれに次ぐ。副菜は、ほうれん草の浸し、サラダ、野菜炒め程度で、酢の物・和え物は食べたことはあっても作ったことがない人が多く、教材として強化する必要を感じる。汁物は味噌汁のみであった。飲み物はコーヒー、紅茶、煎茶の順に多く、菓子は圧倒的に洋菓子が多く和菓子は白玉団子のみである。一人で作れると答えた料理は総じて洋風の料理が多く、中国料理では炒飯以外は調理体験が著しく少ない。一人で出来ると答えた料理は学校教育(家庭科)の中で学んだと考えられるものに多い。作ったことはあるが1人では出来ない料理は調味や調理操作に微妙なコツやカンを要すと思われる料理や揚げ物に多い傾向が見られた。また、名前を知らない料理は日本料理、中でも伝統的な料理に多く、伝統食を何らかの形で取り上げる必要を感じる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205559257216
  • NII論文ID
    130006957533
  • DOI
    10.11428/kasei.60.0.230.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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