日本で製粉されたスペルト小麦で調製したベーグルパンの力学特性と調理性の検討

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タイトル別名
  • Cooking and mechanical properties of bagels made from spelt wheat milled in Japan

抄録

【目的】小麦の原種であるスペルト小麦は、普通小麦に比べてタンパク質含量が高く、アミノ酸やビタミン、ミネラルを豊富に含んでいることと、小麦アレルギー耐性が高いといわれて、注目され始めている小麦である。昨年度の調理科学会大会では、オーストラリア産・現地製粉のスペルト小麦と日本製(市販)普通小麦粉を用いて調製したベーグルパンの調理性について報告したが、物性面では製粉時期や製粉条件等が一致しないことによる問題点が危惧された。今回スペルト小麦の日本国内での製粉が開始されたことより、同条件で製粉されたスペルト種と普通種の小麦粉とでベーグルパンを調製し、生ドウ及び焼成パンの力学特性と官能評価ならびにタンパク質の分子量分布を比較し、調理性を検討した。<BR> 【方法】製粉条件を統一したスペルト及び普通小麦粉に、一定量のドライイースト、砂糖(白砂糖又は黒砂糖)、塩、水を加えてよく混捏した生地のテクスチャー試験を行った。次いで、190℃のオーブンで15分間焼成したパンの色差と比容積及び放置時間を変えたパンの破断試験を行い、官能評価と併せて品質を総合的に判定した。さらに、小麦粉ならびにパン生地のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、タンパク質の分子量分布を比較した。<BR> 【結果】ドウの圧縮応力はスペルト小麦の方が低値を示し、砂糖の種類(白砂糖と黒砂糖)に関らず同様の傾向であった。焼成パンの比容積はスペルト小麦の方が大であり、破断試験ではスペルト小麦と普通小麦に大差はみられなかった。官能評価では、外観評価以外にスペルト小麦と普通小麦に有意差はなく、普通小麦の代替小麦としての可能性が期待できた。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動測定より、たん白質分子量に違いがみられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205559272192
  • NII論文ID
    130006957554
  • DOI
    10.11428/kasei.60.0.24.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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