凍結乾燥アナアオサ添加の製パンへの影響

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タイトル別名
  • Effect of lyophilization Ulva pertusa on Breadmaking

抄録

目的 海岸に見られるアオサの多くはアナアオサである。一般的にアナアオサは繊維が硬いため青海苔の代用にしか使用されていない。そこで利用の少ないアナアオサに着目し、アナアオサの機能性成分を生かした加工食品の開発を目的として、身近な食品であるパンにアオサ凍結乾燥粉末を添加して調製した。 <BR>方法 試料は三河湾アナアオサを用いた。凍結乾燥させたのち、60メッシュの280μmまで摩砕し、粉末アオサとした。粉末アオサ添加パン3種(0.5%、0.7%、1%)を調製し試料とした。対照パンとしてアオサ無添加パンを用いた。官能検査による食味試験は、105名を対象に4種類のパンについて「色」、「香り」、「食感」、「味」、「総合」の5項目を評価した。走査電子顕微鏡による観察や破断強度・テクスチャー測定を行った。成分分析はVC量をHPLCポストカラム法で、クロロフィル量をArnonの方法で、ポリフェノール量をFolin Denis法で、ヒドロキシラジカル活性をDPPHラジカル補足活性測定法で行った。 <BR>結果 官能検査の結果は、最も評価が良かったパンは0.7%アオサ添加パンであった。破断応力では、1.0%パンが最も破断応力が大きく、テクスチャーでは、対照パンが最もかたさ応力が大きかった。よって、アオサの添加によって破断応力は増加し、かたさ応力は減少し、もろくなることが示された。このことから、アオサをパンに添加することによって、グルテン形成が阻害され、膨化力が低下することが認められた。成分分析の結果は、対象パンよりアオサ添加パンが全体的に高い値を示したので、日常的に食すパンにアオサを添加することで機能性成分を摂取することが期待できると考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205560213760
  • NII論文ID
    130006958190
  • DOI
    10.11428/kasei.63.0.99.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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