脂肪酸カリウムによるPenicillium 属菌の制御

書誌事項

タイトル別名
  • Control of Penicillium fungus by fatty acid potassium

説明

(目的) 石けんの主成分である脂肪酸塩の微生物制御は、細菌類についてはいくつか報告されているが、カビに対する知見は少ない。カビは食品に繁殖し、劣化や腐敗を引き起こす。Penicillium属菌は主に食品分野で問題となっているカビであり、本研究では脂肪酸塩のPenicillium属菌に対する抗カビ効果について検討を行った。<br>(方法) 検定菌には、Penicillium pinophilum NBRC 6345株およびPenicillium digitatum NBRC 9651株を選定した。脂肪酸塩は酪酸カリウム(C4K)、カプロン酸カリウム(C6K)、カプリル酸カリウム(C8K)、カプリン酸カリウム(C10K)、ラウリン酸カリウム(C12K)、ミリスチン酸カリウム(C14K)、オレイン酸カリウム(C18:1K)、リノール酸カリウム(C18:2K)、リノレン酸カリウム(C18:3K)を用いた。<br>(結果) 抗カビ試験の結果、Penicillium属菌に対してC10Kが最も高い抗カビ効果を示すことが明らかとなった。また、P. pinophilumに対してC10KのMIC値は175 mMという結果で、この値は直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩と比較して低い値であり、C10Kの抗カビ効果の高さが確認された。これらのことから、C10Kの食品分野における利用可能性が広がった。<br>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205560792192
  • NII論文ID
    130005470360
  • DOI
    10.11428/kasei.66.0_169
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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