料理の容積からわかる食品可食部重量および食品群別摂取量のめやす

書誌事項

タイトル別名
  • Food Edible Portion and Rough Guide of Food Group Intake led by Volume of Dishes

説明

【目的】<BR> 何をどれだけ食べればよいかに関する家庭科の学習として,中学校で,食品群別摂取量と食品概量が扱われている。食品概量の把握方法として,中学校技術・家庭の現行教科書に,ポイント制)が導入されているが,食品群によりポイントの基準量や考え方が異なることから,わかりにくいという難点がある。また食品群別摂取量)は可食部重量で示されているが,喫食者が,料理後の食品から元の可食部重量を把握することが難しい。また、農林水産省・厚生労働省による食事バランスガイドでは,食品量をサービス量(SV)として表わしている。この方法は,基本的な量の考え方を理解するうえではわかりよいが,個々の料理の1サービス量が明記されておらず,自分が喫食した料理の量との関係がわからないことから,日常生活の食事を評価することは困難である。<BR> そこで本研究は,日常生活で,喫食者が,料理後の食品の目測容積から,元の可食部重量の把握、および食品群別摂取量のめやすを把握し,栄養計算が可能な方法の開発を行った。<BR> 【方法】<BR> 食品や料理の目測の単位として,鶏卵容積(60ml)を採用した。日常食品を,調理後に元の可食部重量の把握が難しい食品と,調理後も元の可食部が容易に把握できる食品に分類し,前者については,調理後のみかけ容積(以下,容積と称する。)を,60mlの半球形のケースを用いてケースの個数として表し,調理後ケース1個分の容積と,元の可食部重量の関係を実測した。後者は,固有の単位(膳,枚,杯,個,房,玉,束)の可食部重量を実測した。また,調理すると形が見えなくなる砂糖と油脂については,ケース1個分の料理に含まれる標準的な重量を,文献および実測により換算した。<BR> 食品は127種類で,日常食料理を想定して,11種類の切り方及び調理操作から各々1~数種類を選択して調理した。日常食における食材の切り方や料理方法が複数想定されるものについては,切り方および料理操作ごとの1ケースの可食部重量の平均値を採用した。<BR> 次に,国民健康・栄養調査報告における食品群別栄養素等摂取量(全国)における,食品群内の主要な食品の平均摂取量より,摂取量比率を加味して,食品群別摂取量のめやすを,調理後の容積(1/4ケース単位)に換算した。なお食品群別摂取量は,中学校技術・家庭の現行教科書に記載されている6つの食品群別摂取量を用い,その解説をもとに,その他の野菜と果物を独立させ,カルシウム源として牛乳・乳製品,小魚,海藻を各々独立させた。<BR> 【結果】<BR> 1 食品可食部重量早見表<BR> 1)調理後1ケースの食品の元の可食部重量,1ケースの料理に含まれる標準的な砂糖・油脂の重量,2)個別単位の食品の可食部重量をまとめて,食品可食部重量早見表を作成した。1)では,隙間の大きい料理は,料理1ケースの可食部重量が小さく,逆は大きくなっている。この表により期待される効果としては,喫食者が料理の容積を目測すれば,早見表から可食部重量がわかり,食品群別摂取量や栄養価の計算を行うことができる。また調理計画時には,食材の可食部重量から料理の容積を想定できるので,作りたい料理に必要な食材重量を,正確に準備することができる。<BR> 2 料理の容積でわかる食品群別摂取量のめやす<BR> 料理の容積でわかる食品群別摂取量のめやすを,献立要素と対応させて,1日3食摂取する事が望ましい食品群と,1日のどこかで摂ればよい食品群に分けて表記した。<BR> 3 料理の容積で評価できる食事評価票<BR> 2を基に,料理の容積で評価できる食事評価票を作成した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205594448768
  • NII論文ID
    130006961525
  • DOI
    10.11549/jhee.50.0.86.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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