緑色光に誘導される光屈性の遺伝学的解析

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タイトル別名
  • Genetic analysis of green light induced phototropism

抄録

シロイヌナズナの光屈性は、青色光、UV-Aおよび緑色光によって誘導される。青色光による光屈性では青色光受容体フォトトロピン(phot1、phot2)の関与が示されており、詳しく解析されている。しかし、緑色光による光屈性の機構はほとんど明らかになっていない。そこで本研究では、各青色光受容体の突然変異体および光屈性突然変異体を用いて、光屈性を解析・比較し、緑色光による光屈性の機構を明らかにすることを目的とした。in vitro で発現させたphot1は青色光とUV-Aを吸収するが、緑色光の吸収は報告されてない。一方、光形態形成等に関与する青色光受容体クリプトクロム1(cry1)は、青色光だけではなく緑色光を吸収する。そのため、光屈性における緑色光受容体の候補として本研究に用いた。phot1突然変異体は緑色光、青色光共に光屈性を示さなかったが、phot2cry1およびcry2は野生型と同じ光屈性を示した。四重突然変異体(phot1phot2cry1cry2)にphot1遺伝子を導入した植物体は、野生型と同じ光屈性を示した。また、光屈性突然変異体nph3は青色光、緑色光のいずれの光屈性も全く示さなかったが、rpt2は青色光では光強度反比例的に光屈性が弱くなる表現型を示すが、緑色光ではほぼ野生型と同じ表現型を示した。これらの結果から考えられる青色光と緑色光による光屈性の機構の違いを考察したい。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205627270400
  • NII論文ID
    130006987448
  • DOI
    10.14841/jspp.2004.0.791.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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