FT-ICR MS分析によるメタボリックプロファイリング解析~問題点と応用~
書誌事項
- タイトル別名
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- Metabolic Profiling Analysis Using FT-ICR MS
抄録
メタボリックプロファイリング研究の最終目的は,生物の持つ全ての化合物の種類と量(メタボローム)を迅速に把握することである.高分解能・高感度な分析を行うことが出来るFT-ICR MS(フーリエ変換イオンサイクロトロン型質量分離装置)を用いることで,各種分離操作無しに試料中の化合物を一斉分析することが可能である.さらに,観測された精密質量から,分子式さらに化合物の推定が可能である.我々は,FT-ICR MS分析では不可避の精密質量値分析誤差や分析サンプル内におけるイオンサプレッション等の問題点を克服するためのメタボロミクス解析スキームを整備した.本スキームは,1)一分析あたり数秒のハイスループット解析,2)分析間に存在する精密質量の誤差を自動的に補正するデータ解析ツール(Dmass)開発,3)分析条件の最適化による分析間のイオン強度の再現性確認,4)多サンプル間でのメタボローム比較のための多変量解析,5)得られた精密分子量からの化合物データベース(KNApSAcK)検索による化合物推定,6)MSMS分析による化合物構造の解析から成る.その結果,粗抽出液の分析から化合物の同定までが簡便に行えるようになった.研究実例として,トランスクリプトーム情報との統合解析,安定同位体を用いた未知酵素の基質探索について報告する.
収録刊行物
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- 日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
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日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 2006 (0), 001-001, 2006
日本植物生理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205628465536
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- NII論文ID
- 130006988802
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可