アミノ酸代謝系遺伝子群の発現相関ネットワーク解析

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タイトル別名
  • Gene Co-expression Network Analysis of Amino Acid Metabolism Genes

抄録

工業原材料植物に蓄積する多様な代謝産物を効率よく生産するためには、代謝経路に関与する遺伝子群の機能解析を行うことは重要である。モデル植物であるシロイヌナズナでは、ゲノムの解析・整備が進み、その成果は、代謝系遺伝子群の機能解析を行う上でも、有用な情報となる。<br> 著者らは、シロイヌナズナのアミノ酸生合成経路に含まれる232個の遺伝子に関して、公開されている771種類のマイクロアレイから算出された遺伝子発現相関係数表を利用して、発現相関ネットワーク解析を行った。その結果、アミノ酸生合成系遺伝子群は、主要な3つのネットワーク(グループ1, 2, 3)に分類された。グループ1にはバリン、ロイシン、およびイソロイシン、グループ2にはアルギニン、グループ3にはグルタミン、グルタミン酸、セリン、およびグリシンの各アミノ酸生合成系遺伝子群が主に含まれていた。グループ1のロイシン合成経路に機能注釈されている遺伝子群は、グルコシノレート類の前駆体のひとつである側鎖炭素鎖の伸長したメチオニンの合成反応と密接に関わることが示された。また、転写因子遺伝子群との相関ネットワーク解析により、グループ1の遺伝子群と高い相関を示す転写因子を見出した。現在、この転写因子を過剰発現させたT87培養細胞におけるトランスクリプトーム、メタボローム解析を行っている。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205628889856
  • NII論文ID
    130006989228
  • DOI
    10.14841/jspp.2006.0.108.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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