中世後期における北野社を中心とした造園土木職能の形成

  • 林 まゆみ
    兵庫県立姫路工業大学自然・環境科学研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Professional Development of Gardening and Civil Engineering which can be seen in Kitano Shrine in the Late Medieval Ages
  • チュウセイ コウキ ニ オケル キタノシャ オ チュウシン ト シタ ゾウエン ドボク ショクノウ ノ ケイセイ

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抄録

中世後期, 室町時代を中心として北野社関連史料を調査し, 当時の造園土木職能の形成を分析した. その結果, 造園土木職能は臓れを清めたり, 道路の清掃, 井戸の水替え等の清め的機能と築地等土木的職能や植栽伐木, 運搬樹木の検分, 勢定や造庭に関する見識等の技術を混在させながら発展を遂げたことが検証された. それらの職能に従事した階層は散所や河原者を中心として百姓, 神人なども含んでいた. 階層に応じて異なったが, 河原者には独自の技術と高賃金等が見られた. 中世後期の権門に対する従属の重複性もこれらの職能の発展に寄与したと考えられる. 造園土木職能は階層や職能形態の多様性と従属の重複性がその発展を促進したと言える.

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