継続使用した包丁の刃先形状と官能評価の変化

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タイトル別名
  • The changes of the edge shapes and sensory evaluation in the continuously using of the Japanese kitchen knife

抄録

<BR>【目的】<BR> 包丁研ぎの熟練者が研いだ片刃鎌型薄刃包丁を一般家庭で継続的に使用させた場合の刃先形状・刃先角度および「切れ味」・「研ぎ味」を測定し,熟練者の研いだ「よく切れる包丁」が,使用されることにより「切れない包丁」に至るまでの過程を明らかにする.<BR> 【方法】<BR> 一般家庭で料理を行う女性3名に,熟練者が研いだ片刃鎌型薄刃包丁を6週間使用させ,一週間ごとに使用した包丁を回収して刃先部・中央部・刃元部の刃先を,光学顕微鏡で撮影し,JIS規格による算術平均粗さ(Ra)をそれぞれ求めた.また継続使用開始時と終了時に刃先角度を測定した.さらにシェッフェの一対比較法を用いて女性が使用した包丁3本と熟練者が研いだ包丁1本,計4本について熟練者が「切れ味」と「研ぎ味」の官能評価を行った.<BR> 【結果】<BR> すべての包丁において,使用開始1週間後にRaが大きくなり,それ以降終了時までほぼ一定の値を示した.刃先角度については,開始前は直線的で鋭角な10°前後の刃先であったが,終了時には刃先の欠けが確認でき50°~70°程度の鈍角な刃先になっていた.また,官能評価については,使用した3本の間では差異は認められなかったが,熟練者が研いだ包丁はどの包丁よりも「切れ味」が良いと評価されていた.したがって,包丁の使用により刃先の角度・粗さが大きくなると切れ味が悪くなることが示唆された.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205690563456
  • NII論文ID
    130007012230
  • DOI
    10.11402/ajscs.20.0.45.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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