煮切りみりんの肝障害抑制効果

書誌事項

タイトル別名
  • Preventive effect of nikiri-mirin on carbon tetrachloride-induced liver injury in rats

説明

<BR>【目的】<BR> みりんは、米麹と蒸したもち米に、焼酎もしくは醸造アルコール等を加え、熟成させた日本の伝統的調味料のひとつで、その濃厚な甘みは煮物、タレ、照り焼き等のつや出しに使用されている。また、みりんは魚等の生臭さを抑え、食材に味を浸透させ、素材の煮崩れを防ぐ効果も有する。みりんは調理の過程で、加熱等によりアルコールが飛ぶが、この状態のみりんを煮切りみりんという。我々は、煮切りみりんには、栄養機能や味覚機能の他、生体調節機能を有すると考え、四塩化炭素肝障害モデルラットに対する煮切りみりん摂取の肝障害抑制効果について調べたので報告する。 <BR>【方法】<BR> 1群5匹のWistar雄性ラット(4週齢)を用いて煮切りみりん摂取群、陰性対照群、陽性対照群を設定した。煮切りみりんは「九重櫻(九重味淋製の本みりん)」より調製し、それを肝障害負荷の2週間前から毎日(0.5ml/匹)経口投与した。また陰性および陽性対照群は同容量の滅菌蒸留水を経口投与した。肝障害負荷は、オリーブオイルに溶解した四塩化炭素をラットに経口投与しておこなった。24時間後に解剖をおこない、腹部大動脈より採血して、アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)、アラニンアミノ基転移酵素(ALT)、総コレステロール(TC)、トリグリセリド(TG)、HDL-コレステロールを測定した。また肝臓を摘出し、TC、TG、脂質過酸化物を測定した。 <BR>【結果】<BR> ASTおよびALT測定の結果、いずれも陽性対照群の数値が上昇した。煮切りみりん摂取群は、陽性対照群に比べ、AST、ALTともに抑制する傾向がみられた。また煮切りみりん摂取群は、肝臓の脂質過酸化物値を低下させ、これは煮切りみりんの抗酸化活性が、生体内で四塩化炭素の酸化を抑制し、その結果、肝障害抑制効果を示したものと考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205690566144
  • NII論文ID
    130007012234
  • DOI
    10.11402/ajscs.20.0.49.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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