なれずしの成分組成及び微生物について

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  • Profiles of the principal components and bacteria of the salted and fermented food

抄録

<BR>【目的】<BR> ナレズシは日本、東南アジア及び韓国に存在し、それぞれの地域の食生活と密着した食品となっている。その製法は、一般に、魚に塩を加え、米飯、野菜等と共に発酵させた食品であるが、韓国の場合は米の変わりに粟が用いられる。著者等は先に、いずし、鰰ずし、かぶらずしや大根ずし、韓国のシッケ、マレーシアのチンチャロなどの各種ナレズシについてその成分組成と微生物について報告した。今回、琵琶湖周辺で作成されるナレズシについて同様に検討したので報告する。<BR>【方法】<BR> 実験材料は平成19年7月に琵琶湖近辺の専門業者より購入したハスずし3検体、鮎ずし2検体、うぐいずし1検体、鮒ずし1検体の計7検体である。分析はNa量、K量、遊離アミノ酸組成、脂質含量及び脂肪酸組成について行った。微生物検査は食品衛生検査指針に準じて、一般生菌数、大腸菌群数、乳酸菌数および嫌気性細菌数の測定と分離したLactobacillus属細菌の同定をバイオログ装置を用いて行った。その他、pH、水分活性および水分量の測定を行った。<BR>【結果】<BR> 1 Na量、K量、食塩濃度、pH及び水分活性は、それぞれ平均262mg/100g、81mg/100g、0.7%、4.37及び0.935であった。2 遊離アミノ酸総量は、平均1,831.5mg/100gであり、主な遊離アミノ酸は、Leu、Glu、Lys及び Alaであった。4 脂質含量は、平均5.4%であり、主な脂肪酸組成は、C18:1、C16:1、C16:0であった。なお、EPA及びDHAを合わせると9.3%であった。5 一般生菌数、乳酸菌数及び嫌気性細菌数は、それぞれ対数平均値で、4.07/g、4.79/g及び3.61/gであった。6 ハスずしから分離されたLactobacillus buchneriは、グルタミン酸からのGABA生成能が強かった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205690585600
  • NII論文ID
    130007012268
  • DOI
    10.11402/ajscs.20.0.40.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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