殺菌全卵の凍結による起泡性の変化

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タイトル別名
  • Improved forming ability of pasteurized whole egg after frozen storage

抄録

【目的】鶏卵は生産量の約20%が液全卵として加工食品の原料、主に製菓原料として利用されている。鶏卵には数千個に1個の割合でサルモネラが存在といわれており、大量に割卵して生産する液全卵には高い確率でサルモネラが存在する。サルモネラは比較的低温で殺菌することができるため、液全卵を使用する場合は殺菌されたものを利用することが一般的になっている。しかしこの殺菌条件ではサルモネラは死滅するものの残存する細菌もあり、その影響で、消費期限は0_から_5℃で6日程度である。そこで長期保管するためには凍結することが不可欠となっている。液全卵は凍結することで変性し、粘度増加することが知られているが、特に殺菌された液全卵について、その主な機能である泡立ち性についての詳細な検討はされていない。そこで殺菌液全卵の凍結時における物性の変化について検討したのでその結果を報告する。<br>【試験方法】殺菌された鶏卵を0_から_8週まで_-_25℃で保管したときの起泡力を測定した。測定には20コートミキサーを使用し、ボールの底からの高さと比重を測定することにより泡立ち性の良否を判断した。さらにスポンジケーキを焼成し、製菓適性を調べた。<br>【結果】殺菌後0_から_8週間まで凍結した殺菌液全卵は、凍結期間が長くなるに従いわずかに粘度が増加した。この全卵の起泡力を測定したところ、泡の高さが未凍結のものよりも高くなり、比重が低くなった。このことは殺菌液全卵の起泡力が向上されていることを意味している。さらにこの凍結殺菌液全卵を使用してスポンジケーキを焼成したところ、未凍結品に認められるような釜落ちは認められなかった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205691066496
  • NII論文ID
    130007013017
  • DOI
    10.11402/ajscs.16.0.53.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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