種皮色の異なる大豆エダマメのおいしさについて

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  • Palatability of various immature soybeans with different seed coat color

抄録

【目的】近年、有色大豆のエダマメが独特の風味と歯ざわりを持つことで人気を博している。エダマメのおいしさには、糖や遊離アミノ酸などによる甘味や旨味以外に、食した際のテクスチャーが深く関与している。本研究では、種皮色の異なる大豆エダマメの細胞壁構成多糖の含有量や構成の違いと、硬さとの関連性について明らかにしようとした。  【方法】実験に用いた黒大豆エダマメは、京都府農業総合研究所で栽培・収穫した「紫ずきん」を、茶大豆エダマメと黄大豆エダマメは仙台産と岐阜産の新鮮なものをスーパーで購入し試料とした。細胞壁構成多糖は、ペクチン画分(水及び熱水可溶、シュウ酸アンモニウム可溶画分)、ヘミセルロース及びセルロース画分(アルカリ可溶、不溶画分)に分画し、構成糖はGLCを用いて分析を行った。水可溶性オリゴ糖はHPLCを用いて測定した。硬さは、エダマメをゆでた(100℃、10分)後クリープメーター(山電、RE-3305)を用い破断荷重として測定した。  【結果】細胞壁構成多糖の100gあたりの収量は、紫ずきん(16.8g)、黄大豆エダマメ(15.7g)、茶大豆エダマメ(10.3g)の順に多く、生のエダマメの硬さと正の相関を示した。ゆで操作後の、3種の豆の硬さに有意な差はなく、ゆでた豆の硬さには細胞壁の骨格を成しているセルロース・ヘミセルロース含量との相関が示された。ペクチン画分は、ゆで操作による豆の軟化に大きく関与し、ゆでた豆においては硬さ以外のテクスチャー特性に関与していることが示唆された。茶大豆エダマメ、紫ずきんはスクロースを多く含み、食した時の甘さに関与することが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205691155328
  • NII論文ID
    130007013152
  • DOI
    10.11402/ajscs.15.0.96.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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