学校教育における調理実習経験が及ぼす料理習得効果

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タイトル別名
  • Effects of cooking practices at school on cooking skills for students

抄録

目的】演者らは、調理技術と知識の現状について、大学・短大および専門学校の新入生を対象として調査を行っている。これまでの調査結果から、家庭で料理をする機会が少なく、学校教育での「調理実習」が料理を習得する機会になっていると推察された。そこで、中学校・高校および短大での「調理実習」経験と料理の習得状況についての関連をみることにした。<BR> 【方法】2007年~2008年に大学・短大・専門学校に入学した新入生(18歳~20歳)534名に対し、得意料理の有無、よく作る料理内容、中学校・高校の家庭科および短大の調理実習で取り上げられた17種類の料理習得状況を調査した。各料理については「できる」・「できない」・「知らない」から選択回答したものをクロス集計し、分析を行った。<BR> 【結果】新入生のよく作る料理は、カレーライス・チャーハン・みそ汁・野菜炒めであった。調査した学生のうち、得意料理があると回答した学生は26.7%と少なかったが、中学校・高校および短大での調理実習回数が多いほど得意料理を持つ学生の割合は増加していた(p<0.05)。得意料理には、カレーライス・パスタ・ハンバーグ・肉じゃがが多くあげられ、これらの料理は、学校教育における調理実習に取り上げられている料理と一致していた。学校教育の調理実習に取り上げられている各料理について調理実習経験を持つ学生は、調理実習経験のない学生よりも主食、汁物、主菜、副菜、菓子の多岐にわたりこれらの料理を「できる」とした割合が有意に高いことが明らかとなった。一方、白飯・カレーライス・ハンバーグは、実習経験のない学生も「できる」と回答した割合が高く、これらの調理は日常的に行っている可能性が示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205691159680
  • NII論文ID
    130007013158
  • DOI
    10.11402/ajscs.22.0.149.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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