タイ国の無塩大豆発酵食品より分離した納豆菌の諸性質
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- 稲津 康弘
- 食総研
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- 中村 宣貴
- 食総研
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- カマル ウイラッコディ
- JICA(スリランカ工技研)
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- 伏見 力
- 国際農研
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- ラッダー ワッタナーシリタム
- カセサート大・食品研
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- 川本 伸一
- 食総研
書誌事項
- タイトル別名
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- Isolation and characterization of Bacillus subtilis (natto) strains from a fermented soybean food produced in Thailand
説明
【主旨】タイ国北部地方の伝統大豆発酵食品トゥア・ナウより納豆菌を分離し、RAPD-PCR法による分類を試みると共に、これらの産生するプロテアーゼ、アミラーゼ、サブチリシンNAT(ナットウキナーゼ)の各活性について検討したので報告する。<BR>【方法】タイ国チェン・ライ県およびパヤーオ県の8市場で収集した9種類のトゥア・ナウ試料から、100℃20分煮沸後にGSP寒天上で納豆菌用性状を示す菌45株を分離し、試験に供した。プロテアーゼ活性をカゼイン分解法により、アミラーゼ活性をブルーバリュー法により、サブチリシンNAT活性をフィブリン平板法ならびに合成基質法により、それぞれ測定した。RAPD解析にはOPA-3プライマーを使用した。<BR>【結果】収集したトゥア・ナウには7logCFU/g程度の耐熱性芽胞形成菌が含まれており、中には大量の粘物質(ポリグルタミン酸)を生産するものも存在した。分離された納豆菌45株はRAPDパターンにより16種に分類され、20%が納豆菌宮城野株と同一種であった。分離菌株のプロテアーゼ活性は1.66_から_2.78U/mlで、宮城野株と大きな違いは見られなかった。しかし、アミラーゼ活性は0.03_から_0.49U/ml、また、サブチリシンNAT活性は1.0_から_14.0mm(フィブリン平板法)、0.50_から_21.0U/ml(合成基質法)で、それぞれの酵素について宮城野株の5倍以上の活性を示す株が10株以上存在した。これらの結果はトゥア・ナウ中の納豆菌が食品加工に有用な酵素や機能性物質を国産納豆菌以上に生産することを示すものであり、今回の分離菌株がトゥア・ナウの高品質化や新商品開発に寄与し得ることを示唆していると考えられた。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 17 (0), 132-132, 2005
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205691278336
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- NII論文ID
- 130007013326
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可