世界各国における食料消費パターン -日本を中心に-

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タイトル別名
  • Studies on Foods Consumption Pattern in the World, Focussing on the Situation of Japan

抄録

【目的】日本人の食料消費パターンの特徴を的確に把握することは、日本人の食生活を考えるうえで重要である。ところが、これまでは欧米先進国との比較が中心で、世界全体の中で把握する姿勢に欠けていた。【方法】データは、FAOが提供しているFood Balance Sheets(2000年)に掲載されている20種の食品類供給量(一人当たり)を用いた。資料には176ケ国掲載されているが、信頼できると判断した155ケ国を対象とした。主成分分析とクラスター分析の計算では、それぞれエクセル統計2000とS-PLUS2000を用いた。【結果】世界155ケ国のデータを用いて主成分分析すると、第一主成分は豊かさで、第二主成分は穀物離れ、第3主成分は畜産物となった。日本は少し豊かでやや穀物重視、そしてかなり海産物志向であった。韓国は穀物重視と海産物志向の両方に特徴があった。第一主成分得点は国民所得(対数)と高い相関(0.90)があり、その直線回帰式から、世界の食料消費パターンはこの40年で国民所得が約2倍のものに改善されたと推定した。 デンドログラムを作成すると、アジア・中南米群(A群:88ケ国)、欧米群(46ケ国)、原アフリカ群(20ケ国)の3つに大別(他にレバノン)された。日本にユークリッド距離が最も近いのはセイシェルであり、A群中の中南米・小群に属した。なお、1961年の日本のデータに代えると最も近いのはベトナムとなり、アジアアフリカ・亜群となった。中国と韓国は互いに最も近いが、日本とは別の亜群に属した。ヨーロッパの中に日本を加えると、東ヨーロッパ南部群に分類された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205691501184
  • NII論文ID
    130007013675
  • DOI
    10.11402/ajscs.15.0.111.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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