真空調理における食品の非破壊評価法としての近赤外分光法の応用

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タイトル別名
  • Application of the near-infrared spectroscopy as a nondestructive evaluation method of the food in vacuum cooking

抄録

【目的】真空調理は,食材によってでき上がりが異なることから味の標準化がポイントとなるが,真空包装袋を開封しなければ食材への調味料の浸透状態の確認をすることができない。本研究では,食品の品質管理を非破壊で分析する方法として行われている近赤外分光法を用いて,真空包装袋を開封することなく測定を行い,料理の出来上がり状態を見極めることの可能性について検討を行った。<br>【方法】市販の冷凍サトイモ(球形、Mサイズ、中国産)を試料とし,冷凍サトイモに対して50%(w/w)の市販調味液(濃液,淡液)を使用して,真空調理法で調理した。調理前・調理後・日数経過後再加熱したサトイモについて,ポータブルタイプの近赤外分光計を用い,可視域から近赤外域(500~1000nm)の吸収スペクトルの測定を行った。そして,得られたスペクトルデータのケモメトリックス解析は,UnscramblerXを使用してPCAおよびPLS法により分類や推定を行った。<br>【結果】保存経過に伴う近赤外域の吸収に違いが認められたことから,調味液の浸透の判断ができる可能性が示唆された。そこで,ケモメトリックスを用いてPCAおよびPLS解析を行った結果,調理後包装状態でサトイモ内部への調味液の浸透の濃淡を区別することができることと,保存経過を選別することが可能であることが分かった。以上のように,真空調理した料理のでき上がり状態を非破壊で評価が可能であることが示された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205691605248
  • NII論文ID
    130005044127
  • DOI
    10.11402/ajscs.25.0.117.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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