Reddish coloration and sensory evaluation of <em>Chinese quince</em> and <em>Quince</em>.

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  • カリンおよびマルメロエキスゼリーの着色と食味特性の評価

Description

【目的】カリン、マルメロはともにバラ科の果実であり豊かな芳香を持つが、果肉が硬く渋みを持つため生食には不向きであり、果実酒やはちみつ漬けやゼリー(エキスゼリー)として加工され、薬理効果の期待できる食品として利用されてきた。一方、昨今様々な甘味料が食品に使用されており、低カロリー、低う蝕性、腸内環境の改善など甘味料の使用目的が多様化している。本研究では数種の甘味料を用いてカリンおよびマルメロエキスゼリーを調製し、その着色と食味特性について検討した。<br />【方法】群馬県産カリンおよび長野県産マルメロ果実の芯部分を除去して薄切りし、水さらし後、水を加えて30分間加熱して抽出液を得た。抽出液に上白糖、マルトース、グルコース、フルクトース、キシリトール、パラチノースなどの甘味料を果実の30%添加して最終濃度50%になるまで煮熟しエキスゼリーを調製した。煮熟中それぞれ15分ごとに分光測色計にてL, a*,b*値を、分光光度計にてスペクトルを測定した。さらにそれぞれのエキスゼリーを希釈したジュースを調製し、7段階尺度の評点法による官能評価を行った。<br />【結果】抽出液に上白糖を添加し調製したカリンエキスゼリーでは、経時的に赤色を示すa*値が上昇し、最終濃度におけるスペクトルは390および500nmに強い吸収が見られた。一方マルメロエキスゼリーでは、黄色を示すb*値が経時的に上昇し、可視部における強い吸収は見られなかった。官能評価ではカリンジュースの赤み、渋み、酸味の評価が有意に高く、甘味ではマルメロジュースが有意に高かった。糖度・濃度計(Brix)による測定ではカリンジュースの方が高い値であったが、カリンの持つ渋みや酸味にマスクされ甘みの感度が弱まることが示唆された。甘味料の違いによる着色では、マルメロは有意な差は見られなかったが、カリンはフルクトースを有する甘味料の添加が着色に大きく影響することが明らかとなった。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205692704512
  • NII Article ID
    130006035209
  • DOI
    10.11402/ajscs.29.0_95
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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