各種家禽卵卵白の消化性 ー卵白の希釈と加熱の影響ー

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タイトル別名
  • Digestibility of egg white proteins of various domestic fowls: Effects of egg white dilution and heat treatment

抄録

【目的】鶏卵以外の家禽卵を新しい食資源として有効利用することを目的とし,我々はまず摂取する上で重要な消化性の研究に取り組んでいる.消化性は,栄養学的に基本的な性質であるが,一般に消化酵素によって消化されにくいタンパク質はアレルギーを誘発しやすく,卵の消化性の解明は,食の安全を保つ上でも重要である.卵には,様々な調理・加工法があるため,種々の調理・加工条件下における消化性を調べる必要がある.本研究では,卵の希釈性と熱凝固性を利用したプリンや茶わん蒸し等の料理を想定し,各種家禽卵卵白の希釈と加熱処理条件の組み合わせと消化性との関連性を鶏卵と比較した.<br />【方法】家禽卵は,ニワトリ(Chi),アヒル(Duk)およびダチョウ(Ost)の卵を対象とした.希釈しない卵白および希釈卵白(2~5倍希釈)について,加熱処理を施し,人工胃液および人工腸液による消化性試験を行った.消化反応液のトリシン-SDS-PAGEによる解析,消化により生成したアミノ酸・ペプチド量の測定およびペプチドのHPLC分析も行った.<br />【結果】人工胃液による消化性は, 5倍希釈卵白溶液を加熱した場合では,Chiは80℃以上,Dukは70℃以上,Ostは90℃以上の加熱処理により未加熱に比べ著しく消化性が高まったが,卵白を希釈せずに加熱した場合では,各家禽共,上記の温度帯から著しく消化性が低下した.人工腸液による消化性は,5倍希釈卵白溶液を加熱した場合では,Chiは75℃以上,Ostは50℃以上の加熱処理により,Dukは加熱の有無に関わらず速やかに消化されたが,卵白を希釈せずに加熱した場合では,各家禽共,70℃以上の加熱処理により消化抵抗性が高まった.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205692734080
  • NII論文ID
    130006035259
  • DOI
    10.11402/ajscs.29.0_74
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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