未利用魚を使ったすり身加工品の検討

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タイトル別名
  • Study of surimi processed goods using unused fish

抄録

【目的】未利用魚とは見た目や形が悪い、規格外などの理由で市場に出ることがなく廃棄されてしまう魚の総称である。近年では未利用魚の有効利用が見直され、6次産業化という観点からも全国的に注目されている。海陽町・鞆浦漁協との地域連携により大敷網漁によって水揚げされる未利用魚の活用方法を検討している。そこで、漁協より提供された未利用魚を用いて、すり身を揚げてつくるすり身加工品「すり身カツ」への適性を検討した。<br>【方法】シイラ、ニベ、マンボウなど7魚種を用いた予備実験の結果から、シイラとマンボウを単独あるいは混合して使用したすり身カツ(試料A:シイラ、試料B:マンボウ、試料C:同量で混合)を調製し、性状測定、物性測定や官能評価によって適性を検討した。物性測定では株式会社山電製レオナーRE2-3305を使用し破断強度を測定した。官能評価は、本学の教職員および学生計30名をパネルとして評点法と順位法を用いて評価を行った。<br>【結果】加熱前のすり身の水分量には魚種による差が見られた。すり身カツの破断応力では試料Aが高く、試料Bは低く、試料Cはその中間という値を示した。評点法による官能評価では、すべての項目においてシイラとマンボウを混合した試料Cの評価が最も高かったが、試料Aの味(<0.05)と総合評価(<0.05)、食感(<0.01)が他に比較し有意に低かった。順位法においても有意水準1%で30人の好みは一致しており、試料Cが最も好まれていた。今後、配合割合や配合原料の検討が必要であるが、有効活用につながることが示唆された。とくに、シイラは地元では流通・消費されない魚であるが、水揚量は比較的高く引き続き活用方法を検討したいと考える。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205693280512
  • NII論文ID
    130005489599
  • DOI
    10.11402/ajscs.27.0_161
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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