固体分散ゾル試料における食塊のずり速度とずり応力の関係
書誌事項
- タイトル別名
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- The relationship between shear rate and shear stress of food bolus of solid dispersed in sol
抄録
【目的】食塊が咽頭を通過するために必要な軟口蓋運動は食塊の物性と関与し、物性を変化させることで食塊形成や食塊が移送される際の速度や時間に変化が認められることが報告されている。そこで、本研究では増粘剤に固形試料を分散したモデル試料を調製し、誤嚥防止に重要な因子である食塊の移動速度と流動特性について、食塊の移動速度測定結果からずり速度を算出し、あわせて食塊の粘度、テクスチャー特性および官能評価により検討した。<BR>【方法】増粘剤中に分散する固形試料には5mm3の直方体に切断した寒天ゲルを用い、3種の増粘剤(馬鈴薯澱粉、グアーガム、キサンタンガム (三栄源F・F・I社製))と水に0、50、100w/w%混合して試料とした。ゾルの濃度は0.5、1.0、3.0、5.0w/w%とした。1回の摂食量を6gとし、5回咀嚼後および30回咀嚼後のものを測定した。嚥下特性として食塊の移動速度をパルスドップラ法を用いた超音波画像診断測定法および造影検査法(X線撮影)により測定し、食塊の流動特性として、食塊のみかけの粘度、テクスチャー特性を測定し、あわせて官能評価を行った。<BR>【結果】分散媒の3種の増粘剤は非ニュートン流体でずり流動化流動を示した。各濃度においての降伏応力、粘稠性係数を求めた結果、これらの特性値の濃度依存性はグアーガムが最も高かった。造影検査画像結果と超音波パルスドップラ法による食塊の移動速度から咽頭部のずり速度を算出した。4種の試料の咽頭部のずり速度は水100w/w%の5回咀嚼で最も高く70sec-1前後、その他の試料は30~50sec-1の範囲であった。澱粉および水添加試料のずり応力は他の試料よりも低く、澱粉、グアーガム、キサンタンガム添加試料では分散媒の濃度が高くなると応力も高くなる傾向がみられた。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 23 (0), 99-99, 2011
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205693383040
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- NII論文ID
- 130007016272
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可