温度変化に伴う5基本味の強度変化および持続性
書誌事項
- タイトル別名
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- Changes in intensity and persistence of five basic tastes associated with temperature
説明
【目的】5基本味の味覚感受性が温度によって大きく影響を受けることは周知の事実である。5基本味を味わった際に生じる味覚強度変化や持続性を捉えるため、官能評価法の一つであるTime-intensity法(TI法)を用いて各味における特徴と温度変化が及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。<br>【方法】閾上濃度の5基本味溶液を試料として用い、評価にはコンピューターで実行するTI測定ツール(テイストテクノロジー有限会社)およびマウスを用いた。測定中で最も味を強く感じた際の強度を尺度の最大値(非常に強い)とし、感じている味の強度についてマウスを動かし画面上のバーを操作することで、測定時間中継続して評価させた。得られたTI曲線から最大強度(Imax)、最大到達時間(Tmax)、TI曲線下面積(Area<br>under the curve:AUC)、全応答時間(Ttot)、測定開始から90秒までの10秒毎の強度(I10、I20、I30、I40、I50、I60、I70、I80、I90)を算出した。この同操作を3段階の温度にて行った。なお、実験協力者は22名であった。<br>【結果】酸味のAUCは他の4味に比べて有意に小さく、また苦味のAUCは甘味,塩味および酸味に比べ大きいことが認められた。Tmaxは酸味が甘味、うま味および苦味に比べ有意に短いことが認められ、Ttotは酸味が塩味、うま味および苦味に比べ有意に短く、苦味が甘味、塩味および酸味に比べ有意に長いことが認められた。10秒毎の強度に関しても、20秒から70秒後まで酸味では他の味よりも弱く、苦味では他の味よりも強い項目が多くみられた。したがって、酸味は最大強度到達時間および全応答時間が短く、強度変化が急激であることが明らかとなった。また、苦味は最大強度到達時間および全応答時間が長く、強度変化が緩慢であることから、後味が残りやすい傾向があった。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 27 (0), 212-, 2015
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205693418240
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- NII論文ID
- 130005489623
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可