調理師養成施設における食品加工実習の有効性について

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書誌事項

タイトル別名
  • The effectiveness of food processing practice in training colleges for cooks : making of Tofu by using soybeans manufactured in Shimane prefecture , Japan.
  • ~島根県産大豆を使った豆腐作り~

抄録

【目的】加工食品とは、様々な手段や方法を用いて食品を加工・処理したものであり、水産練り食品、大豆・食肉加工品など多岐にわたる。近年、様々な加工食品が市場に出回っており、本校調理師科の調理実習においても加工食品を使用する頻度は高い。調理師科学生に調理実習でよく使用する加工食品10品目について、その製造方法を知っているかどうか質問紙調査法による予備調査を行ったところ、知っていると答えた者の割合が一番高い品目でも約4割という結果であった。そこで、調理師科学生の加工食品への興味関心度・知識向上を目的とし、食品加工実習が学生にもたらす効果について調査した。<br>【方法】今回は古来より伝統的に食されてきた食品で調理実習においても使用頻度が高いことから、大豆加工品である豆腐を取り上げ、調理師科学生14名を対象に実習を行った。原材料の大豆は、島根県産「サチユタカ」と北海道産「ユキホマレ」の2種類を使用し、出来上がった豆腐の味やテクスチャーの比較検討についても授業の中に取り入れた。実習後には質問紙調査を行い、食品加工実習の導入効果を検証した。<br>【結果】豆腐作りの体験が将来に役立つと答えた学生は85%、豆腐以外の加工食品の製造を調理実習で行ってみたいかという質問には全ての学生行ってみたいと回答した。また、大豆の品種の違いによる出来上がりの味やテクスチャーの違いを体感したことで、食材の成分の違いによる製造品への影響についての理解の高まりが認められた。教科書学習に留まらず、調理師養成施設において「食品加工実習」を取り入れることで、学生の興味関心を喚起すると同時に、食品学や栄養学、調理理論など幅広い分野での理解を深める相乗効果が期待できると推察される。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205693673088
  • NII論文ID
    130005489706
  • DOI
    10.11402/ajscs.27.0_97
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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