マサバに含まれるにおい成分および機能性の調理過程における変化

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タイトル別名
  • Changes in flavor and functionality during cooking of mackerel

抄録

【目的】魚類は、我が国において主要なたんぱく質源として古くから利用されてきた。また、魚類にはIPAやDHAといったn-3系多価不飽和脂肪酸が多く含まれており、心血管疾患予防などその機能性が期待されている。しかし魚の生臭いにおい(魚臭)は嗜好的価値を著しく下げており、魚離れの大きな要因の一つとなっている。これまでの研究で、実際の食事で感じられる魚臭は、脂質酸化に由来する成分であることが明らかとなっている。本研究では魚の脂質の酸化を抑制するために香味野菜を用いて調理を行い、海産魚に含まれるにおい成分及び機能性成分の調理過程における変化を解析した。<br> 【方法】一年中入手が可能で、且つ脂質含量が高い魚の代表であるマサバに、抗酸化性を持つ香味野菜を加え、焼く、煮る調理操作を行い、調製した試料をホモジネートし、揮発性成分を固相微量抽出法で抽出した。それをGC、GC-MS、GC-Olfactometoryで分析し、揮発性成分の定量とスニッフィング分析を行った。機能性の測定では、ORAC法を用いて抗酸化活性を測定した。<br> 【結果】揮発性成分の定量において、香味野菜を加えて調理することにより脂質劣化に由来する揮発性成分が減少した。スニッフィング分析では、香味野菜を添加して調理した試料で、腐敗臭、魚臭が軽減する傾向がみられた。また機能性の測定では、香味野菜を加えることにより抗酸化活性が増加する傾向がみられた。これらの結果には、香味野菜由来の抗酸化成分が寄与していると考えられる。以上の結果から、香味野菜を加えて調理したサバは嗜好性及び機能性においてより優れていることが示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205693800832
  • NII論文ID
    130005481329
  • DOI
    10.11402/ajscs.26.0_182
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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