焙煎ゴボウ粉末を添加した水産加工製品おぼろの抗酸化能と嗜好特性

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タイトル別名
  • Antioxidant activity and preference assessment on mashed, seasoned and heated fish meat (Oboro) with roasted edible burdock powder

抄録

[目的]近年、生活習慣病予防のために、抗酸化能の高い食品への関心が高まっている。そこで今回、抗酸化能が高いゴボウの焙煎粉末を添加した水産加工製品おぼろ(でんぶ)を調製し、焙煎ゴボウ粉末の添加量と抗酸化能及び嗜好特性との関係について検討した。<br>[方法]イトヨリダイのすり身に砂糖などの調味料、着色料及び焙煎ゴボウ粉末を加え、炒り加熱を行って、おぼろを調製した。試料は、焙煎ゴボウ粉末無添加おぼろ、焙煎ゴボウ粉末1%、3%、5%添加したおぼろの4種類を用いた。抗酸化能の測定はORAC法(ペルオキシラジカル消去活性、μmol TE/100 g)とESR法(ヒドロキシルラジカル消去活性、IC50値(%))で行い、嗜好特性は5段階評点法にて評価した。<br>[結果]焙煎ゴボウ粉末無添加試料のORAC値(H-ORAC値+L-ORAC値)は846μmol TE/100 gであり、その内の約90%がH-ORAC値であった。1%、3%、5%ゴボウ粉末添加試料は1.2倍、2.0倍、2.6倍にORAC値が増加した。ESR法によるIC50値は無添加試料が6.6%であり、ゴボウ粉末の添加量が増すにつれて0.82倍、0.55倍、0.44倍に減少した。これらの結果より、焙煎ゴボウ粉末の添加量が多いほど、おぼろの抗酸化能がより高まることが確認できた。嗜好特性の総合評価は、1%添加試料が最も好まれた。これは、口に入れた時の食感や舌触りが好まれたこと、ゴボウの香りによる魚臭さへのマスキング効果のためと考えた。次いで、無添加試料、3%添加試料も好まれた。以上の抗酸化能と嗜好特性の結果から、おぼろ製品への焙煎ゴボウ粉末の添加量は1~3%が望ましいと考察した。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205693823616
  • NII論文ID
    130005481341
  • DOI
    10.11402/ajscs.26.0_187
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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