画像解析ソフトを用いた米飯の「粒立ち」の評価方法

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Measurement of rice "tsubudachi" using an image processing software

抄録

<br><br>【目的】一般に「おにぎりはご飯を潰さないようふんわりと握る」と言われるが,こうすると「米粒が立ち,空間が生まれるので口中でよくほどけおいしく感じる」ためである。米飯が「ふっくら」かつ「しっかり」している状態は「粒立ちがよい」と表現され,「粒立ち」は米飯食品のおいしさを構成する重要な要素の一つである。しかし,おにぎりやシャリ玉などの米飯加工品は,成形工程で米飯粒が崩れやすくなる。崩れた小さい粒は大きな粒の隙間に入り込み, 空間が失われ, 口中でほどけにくい団子状になるため,最終製品まで粒立ちがよいことが望まれる。米飯の「硬さ」「ねばり」等の特性については従来より物性測定機が用いられ報告も多いが, 「粒立ち」という「米飯粒の在り様」は「硬さ」だけでは捕えられない。官能評価も有効だが訓練されたパネルを要し評価尺度にも限界がある。そこで「粒立ち」の定量的評価のため米飯加工品より採取した米飯粒の画像データを画像解析ソフトで処理、評価する方法を検討した。<br><br>【方法】米飯加工品より採取した米飯粒のデジタル画像を解析ソフトに取り込み,全粒について面積を計測した。計測データについて頻度(粒数)を縦軸に面積を横軸にヒストグラム(および累積度数分布曲線)を作成した。<br><br>【結果】粒立ちの良い試料は、右方向に度数が集中し,全粒の総面積値も大きくなった。逆に粒立ちの悪い試料は,全体に度数が分散し総面積値も小さくなった。二つの測定パラメーター「総面積値(一粒一粒が大きいこと)」「累積度数分布曲線の傾き(粒の大きさが揃っていること)」は官能評価とよく一致した。この手法をもとに市販のおにぎりをポジショニングしたところ,よくその特徴を把握することができた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205694051968
  • NII論文ID
    130005264196
  • DOI
    10.11402/ajscs.28.0_138
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ