スポンジケーキの性状に及ぼす各種タピオカ澱粉の影響

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Tapioca Starches on the Properties of Sponge Cakes

抄録

【目的】澱粉を主材料とした加工食品の品質向上や食感改良に種々の加工澱粉が多用されている。そこで、糊化しやすく独特の弾力やもちもち感を発現するタピオカ澱粉とその加工澱粉を小麦粉と100%置換してスポンジケーキを焼成し、澱粉の性質がスポンジケーキの性状や嗜好性に与える影響を検討した。<BR>【方法】タピオカ澱粉ならびに5種類のタピオカ加工澱粉(アセチル化リン酸架橋:A、リン酸架橋:B、ヒドロキシプロピル化:C、ヒドロキシプロピル化リン酸架の中架橋と高架橋:DとE)の粘度特性(RVA)、溶解度、膨潤度、ヨウ素吸収曲線、粒度分布、X線回折を調べ、それらを用いてスポンジケーキの焼成(配合割合:粉材料200g、卵200gうち卵白132g、卵黄68g、砂糖200g、水30g)、ケーキ断面の観察、比容積測定、1、3、5日保存後(室温、密閉容器にて)の糊化度(BAP法)および老化度(X線回折)の検討、テクスチャー測定(硬さ、凝集性、付着性)、官能評価(4試料ずつ2回)を行なった。<BR>【結果】Cを用いたケーキは生地が膨らまなかった。BはEを除き他のケーキより有意に比容積が大きかった(p<0.01、p<0.05)。焼成当日の糊化度はD>タピオカ>E>B>小麦粉>Aの順で、小麦粉とタピオカを除く加工澱粉ケーキは、5日間の保存後でも糊化度の有意な低下がみられなかった。タピオカとBは硬さ、凝集性、付着性が小麦粉と比較的似ていた。官能評価より、澱粉ケーキは小麦粉よりもきめが細かく、色が好まれ、さらにEは小麦粉よりやわらかく、Dは硬いと評価された。総合的な好ましさの順位は、小麦粉>E>D>タピオカ、B>小麦粉>A>タピオカで、Bは小麦粉よりも高い評点を得た。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205694061056
  • NII論文ID
    130007017081
  • DOI
    10.11402/ajscs.22.0.35.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ