日本酒の摂取が若年女性の味覚感受性に及ぼす影響
書誌事項
- タイトル別名
-
- The effects of sake intake on taste sensitivity in young women
抄録
【目的】近年日本人の食事は、生活習慣や食習慣の変化に伴い味覚形成や食嗜好に大きく影響し、日本における伝統的な食事形態である「口中調味」にも影響を与えていると考えられる。日本酒は食中酒であり、食品との相性が重要な品質特性である。日本酒と食品との相性はこれまで数多く報告されているが、それらは先入観が味覚に大きく影響することが指摘されており、実際の飲酒前後の味覚変化については不明な点も多い。そこで、本研究では日本酒摂取が味覚に及ぼす影響を明らかにすることを目的として日本酒摂取前後の味覚変化を検討した。<br>【方法】被験者は実験内容に承諾を得られた健常女子学生30名とした。身体測定、唾液試験は味覚試験前に実施し、唾液試験では唾液量、pH、アミラーゼ活性を測定した。また、味覚試験当日には、食物摂取頻度調査票を用いた食事調査を実施した。味覚試験は5基本味について全口腔法で認知閾値を測定した。1回目の味覚試験終了後、被験者には日本酒を摂取してもらい、その後血中アルコール濃度を呼気ガスで測定し、最大値から減少し始めたところで2回目の味覚試験を同様に行った。<br>【結果】飲酒前後における各味覚の認知閾値には、個々人で有意差が認められず、他の項目でも同様であった。飲酒前の味覚が飲酒後に影響を及ぼすかどうか検討するため、飲酒前の味覚感受性の結果に基づいて2群にグループ分けをしたところ、飲酒前の味覚感受性が鈍い群では飲酒後の酸味が有意に鈍化したが、鋭い群では飲酒後の塩味が鈍化する傾向があった。飲酒後では、飲酒前の味覚感受性が鈍い群は、鋭い群と比べて、酸味閾値が有意に高く、塩味閾値が高い傾向がみられたが、その他の甘味、苦味、旨味では両群間で飲酒後の閾値に有意な差は認められなかった。
収録刊行物
-
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
-
日本調理科学会大会研究発表要旨集 28 (0), 123-, 2016
日本調理科学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205694086784
-
- NII論文ID
- 130005264252
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可