小腸粘膜上皮における物質輸送機能と細胞間相互作用の解析(ビタミン・バイオファクターの新展開 : 健康と食)

  • 清水 誠
    東京大学大学院農学生命科学研究科
  • 薩 秀夫
    東京大学大学院農学生命科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on the Transport Functions and Cell-Cell Interactions in the Intestinal Epithelium
  • 小腸粘膜上皮における物質輸送機能と細胞間相互作用の解析
  • ショウチョウ ネンマク ジョウヒ ニ オケル ブッシツ ユソウ キノウ ト サイボウ カン ソウゴ サヨウ ノ カイセキ

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抄録

食品中の栄養素や機能性成分が体内に吸収される場として小腸上皮はもっとも重要である. 小腸における吸収(物質輸送)の効率を変化させれば, 体内に入る栄養素の量をコントロールすることができる. 近年開発が急速に進んでいる特定保健用食品の中には, 腸管における栄養素吸収を制御することを主要なメカニズムとする製品も多い. 糖の消化吸収を抑え血糖値の上昇を抑制する食品, コレステロールの吸収を抑えて血清コレステロールレベルを制御する食品, 中性脂肪の消化吸収を抑えて肥満を予防しようという食品, ミネラルの腸管吸収を促進する食品など, 腸管における栄養素の消化吸収を制御することは, 生活習慣病の予防のための簡単でかつ実効性の高い戦略と認識され, 利用されている. また, 腸管上皮は食品成分をはじめとする腸管内容物と直接接触する組織であり, 食品成分の影響を受けやすい組織でもあると推定される. 物質の吸収のみならず, 食品成分が持つさまざまな情報を受容し, それに応答する組織としても腸管上皮は興味深い.

収録刊行物

  • ビタミン

    ビタミン 78 (11), 555-563, 2004

    公益社団法人 日本ビタミン学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (36)*注記

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