上顎洞底部形態と歯性上顎洞炎

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タイトル別名
  • Relation between the form of antral floor and odontogenic maxillary sinusitis
  • Convexity of antral floor toward the lower side
  • 上顎洞底部の歯根間への下方突出について

抄録

解剖学的に上顎洞底部は類円形や平坦な形態を呈する比較的単純な形態と洞底部に凹凸が見られる複雑な形態がある。洞底部に凹凸が見られる複雑な形態は歯根との関係からみると洞底部の下方突出が歯根との間に存在するタイプがある。(以下convexity typeと称す)このconvexity typeの上顎洞は根尖部との位置的関係から歯性上顎洞炎を発症しやすく、歯科治療の際、治癒転帰の見地からも、形態の把握は重要である。今回はconvexity typeの上顎洞に発症した歯性上顎洞炎の病態と歯根との位置的関係を観察したので報告する。資料は鹿児島市立病院において臨床的に得られたconvexity typeの上顎洞に発症した歯性上顎洞炎18例と単純な洞底部形態の歯性上顎洞炎18例のオルソパントモグラムである。撮影に用いた装置はアサヒレントゲン工業製AZ3000 CMである。方法はconvexity type洞底部の歯性上顎洞炎と単純な洞底部形態の歯性上顎洞炎のオルソパントモグラムを比較し、歯性上顎洞炎の病態と歯根との位置的関係を検討した。結果として、単純な洞底部形態の歯性上顎洞炎は歯科的処置により消退したが、convexity typeの上顎洞に発症した歯性上顎洞炎は再燃する症例が6例見られた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205713345792
  • NII論文ID
    130007022032
  • DOI
    10.11495/jkds.kds65.0.12.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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