性腺刺激ホルモン放出ホルモン (GnRH) パルス状分泌機構解明のための弓状核キスペプチンニューロン特異的Creリコンビナーゼ発現マウスの作製

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タイトル別名
  • Generation of transgenic mice expressing Cre recombinase in arcuate kisspeptin neurons: a tool for region-specific Kiss1 knockout mice

抄録

【目的】げっ歯類において,キスペプチンニューロン細胞体は前腹側室周囲核 (AVPV) および視床下部弓状核 (ARC)に局在する。AVPVのキスペプチンニューロンがエストロジェンのポジティブフィードバック作用を仲介し,GnRH/黄体形成ホルモン (LH) のサージ状分泌に関与することが明らかになりつつあるのに対し,ARCのキスペプチンニューロンがGnRH/LHパルス発生にかかわるとする仮説は十分には検証されていない。そこで本研究では,Cre-loxPシステムによるARCキスペプチン遺伝子 (Kiss1) のコンディショナルノックアウトマウスの作成の一環として,ARCのキスペプチンニューロン特異的にCreリコンビナーゼを発現するトランスジェニック (Tg) マウスを作製した。【方法】Kiss1遺伝子の第2エクソンにCreリコンビナーゼcDNAを導入した全長26 kbのDNAコンストラクトを前核期胚に顕微注入し,Kiss1-Cre Tgマウスを作製した。TgマウスのCre発現を検証するため,Cre発現細胞でのみGFPを発現するレポーターマウスと交配し,産仔を得た。キスペプチンおよびGFPを二重免疫組織化学により検出した。【結果および考察】遺伝子型解析の結果,両方の導入遺伝子を持つ個体において,ARCのキスペプチンニューロンにGFP発現がみられたのに対し,AVPVのキスペプチンニューロンではGFP発現が認められなかった。以上の結果から,ARCのキスペプチンニューロンにおいてのみ, Creリコンビナーゼを発現するTgマウスの作製が確認された。今後,本研究室において作製済のLoxP配列で挟まれたKiss1遺伝子を持つ Kiss1-floxedマウスとの交配により,ARC特異的にKiss1遺伝子を欠損したマウスの作製する事により,ARCキスペプチンニューロンの機能解明が可能となった。本研究は生研センター「新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業」の一部として実施した。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205715725824
  • NII論文ID
    130005457593
  • DOI
    10.14882/jrds.105.0_1024
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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