ヘアーケラチン遺伝子導入による内在性ケラチンネットワークの変化

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タイトル別名
  • The Alteration of Endogeneous Keratin Networks after Transfection of Hair Keratin Genes
  • ヘアーケラチン イデンシ ドウニュウ ニ ヨル ナイザイセイ ケラチンネットワーク ノ ヘンカ

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説明

分化特異的ケラチンの線維形成過程を検索するため,マウスヘアーケラチンであるmHalとmHb4のcDNAを含む発現型ベクターを,ラットカンガルー腎細胞株(PtK 2細胞)と株化重層扁平上皮細胞(ラット表皮細胞)に導入した.PtK 2細胞では多くの細胞の細胞質内において,mHa 1とmHb 4は通常観察される蜘蛛の巣状のケラチンネットワークを形成せず,核近傍に種々の大きさの環状の凝集塊を生じていた.またこれらの細胞では,既在の内在性ケラチンのネットワークは崩壊し,更に興味深いことに,ヘアーケラチンの環状凝集塊と部分的に共存しながら,その周囲を取り囲んでいた.しかしながら,ラット表皮細胞ではPtk 2細胞と異なり,mHa 1とmHb 4は内在性ケラチンのネットワークと共存していた.これらの結果は,mHa 1/mHb 4ケラチン対はそれら自身ではケラチンネットワークを構築できず,また他のケラチンの間にネットワークを形成するためには,K 5/K 14のような適切なケラチン対が既に存在する必要があることを示唆した.

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参考文献 (33)*注記

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