市販の増粘剤から調製した溶液とヨーグルトの流動特性および咽頭部流速(嚥下障害者用介護食に関連して)

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  • Flow Properties and the Velocity through the Pharynx of Solutions Prepared from Commercial Thickening Agents and Those of Yogurt with Relevance to Liquid-Type Care Foods for Dysphagic Patients

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抄録

嚥下障害者(dysphagic patients)用介護食としての安全性を評価するために,市販の増粘剤から調製した溶液の粘度μおよび咽頭部(pharynx)での流速を,ヨーグルトのモデル食塊(bolus)である“(カードを)破壊したヨーグルト”(以下,“破壊ヨーグルト”)と比較した.流速スペクトルの形状と流速とから,“破壊ヨーグルト”の流動特性はヨーグルトの食塊に近いと考えられた.“ヨーグルト状”の増粘剤溶液の粘度μの値は,ずり速度 <img align="middle" src="./Graphics/abst-11_177.gif"/> が10 s-1付近において,“破壊ヨーグルト”の見かけの粘度μappの値より小さかった.また,介護食の安全性の指標である最大流速Vmaxの値に関しては,“ヨーグルト状”や“ジャム状”の増粘剤溶液の方が“破壊ヨーグルト”の値より大きかった.これらのことは,“ヨーグルト状”の増粘剤溶液は,ヨーグルトの食塊と同じ流動特性をもたず,ヨーグルト程度に誤嚥しにくいとはいえないことを示している.

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