保育所・小中学校におけるASD傾向及びADHD傾向といじめ被害及び加害との関連

書誌事項

タイトル別名
  • The Relationship between Bullying and Victimization, and Traits of Autism Spectrum Disorder and Attention Deficit/Hyperactivity Disorder in School Children
  • ホイクジョ ・ ショウチュウガッコウ ニ オケル ASD ケイコウ オヨビ ADHD ケイコウ ト イジメ ヒガイ オヨビ カガイ ト ノ カンレン

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説明

本研究では,単一市内の全保育所・公立小中学校の児童生徒の保護者を対象に調査を実施し,ASD傾向及びADHD傾向といじめ被害及び加害との関連を検討した。ASSQによってASD傾向を,ADHD-RSによってADHD傾向を測定した。いじめ被害及び加害は,関係的いじめ,言語的いじめ,身体的いじめのそれぞれのいじめについて測定した。保育所年少から中学3年生までの計8396名の幼児児童生徒のデータに対する順序ロジスティック回帰分析の結果,他の独立変数の効果を調整しない場合には,いじめ被害及び加害ともに,いずれのいじめに対してもASD傾向とADHD傾向の効果が示された。これに対して,他の独立変数の効果を調整した場合には,2つの発達障害傾向のいじめに対する影響は異なるものであった。いじめ被害では,全てのいじめでASD傾向の主効果が確認されたが,ADHD傾向の主効果が確認されたのは関係的いじめと言語的いじめのみであり,オッズ比もASD傾向より小さかった。いじめ加害では,全てのいじめでADHD傾向の主効果が確認されたが,ASD傾向ではいずれのいじめにおいても主効果は確認されなかった。これに加えて,学年段階や性別との交互作用についてもASD傾向とADHD傾向で違いが見られた。

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 26 (4), 332-343, 2015

    一般社団法人 日本発達心理学会

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