前立腺におけるエコーヒストグラム診断

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  • Analysis of echo-histograms of prostatic diseases

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前立腺における経直腸的超音波検査は, 近年その診断技術と診断装置の進歩でより正確に施行できるようになった. しかし内部エコーについては現在でも主観的な表現しか行われていない. 今回著者は前立腺の超音波画像において内部エコーの数量的表現方法としてエコー強度のヒストグラムを作製し, その標準偏差を指標とした評価方法を開発し, 有用と考えられる結果を得た. 先ずファントムによる基礎的検討で内部エコーの不均一性は, ヒストグラムの標準偏差の値で表現されることを示した. 次に28歳から84歳までの106例の前立腺疾患患者を対象として経直腸的超音波検査を行い, 縦横断の画像においてヒストグラムを作製し, その標準偏差とエコーパターンおよび臨床診断とを比較検討した. エコーパターン別の検討では, 縦断面・横断面ともにheterogeneous patternのほうがhomogeneous patternよりも標準偏差が高値を示し, 横断面において危険率1%以下で有意差を認めた. 臨床診断別の検討では縦断面において前立腺肥大症+石灰化の標準偏差は高値を示し, 他の疾患に対し危険率1%以下で有意差を認めた. 横断面においては前立腺癌および前立腺肥大症+石灰化の標準偏差は, 前立腺肥大症および前立腺炎よりも有意 (P<0.01) に高値を示し, 従来の診断基準と一致する結果を得た. 以上より経直腸的前立腺超音波の横断像で作製したヒストグラムの標準偏差の値は, 内部エコーの不均一性を示す指標として利用でき, 前立腺疾患に対する診断の一助となることが判明した.

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