落葉広葉樹伐採跡地のリター層がオーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)の生長に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of Litter Layers on the Growth of Orchardgrass (Dactylis glomerata L.) Oversown in the Cutover Land of Deciduous Broad-leaved Forest
  • ラクヨウ コウヨウジュ バッサイ アトチ ノ リターソウ ガ オーチャードグラ

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抄録

本研究は少量または無施肥によるローインプットな草地造成技術を確立するために,落葉広葉樹伐採跡地に1982年8月にオーチャードグラス(Or)を無施肥で散播し(播種量:2g/m^2),Or群落の収量及び養分吸収量とリター層との関連について検討した。試験対象とした伐採跡地には,未分解の落葉が0.69DMkg/m^2,土壌混じりの分解のすすんだ落葉が2.24DMkg/m^2存在した。これらのリター中に含まれるN,P_2O_5及びK_2O含量はそれぞれ30.8,4.7及び4.5g/m^2であった。また,培養条件下でこれらのリターから無機化される窒素量を測定した結果,培養後8週目までに無機化される窒素量は1m^2当たり2.17gで,これはリター中の全窒素含量の7.3%に相当した。このような化学性を有するリター層上に成立したOr群落における播種後10カ月目のOr収量は58.2DMg/m^2で,この数値はリター層を欠落する裸地に成立したOr群落に比べて4.8倍の収量であった。また,N,P_2O_5及びK_2O吸収量においても,前者が後者の4.3〜6.0倍の値を示した。これらの結果から,Or群落の収量及び養分吸収量に及ぼすリター層の肥料的効果は草地造成上無視できないはど大きいと考えられる。

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