観光ビジネスの国際競争力 : その影響要因の研究および統計分析

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タイトル別名
  • A Study on Competitiveness of Tourism Business : Competitiveness Factor and Statistic Analysis
  • カンコウ ビジネス ノ コクサイ キョウソウリョク ソノ エイキョウ ヨウイン ノ ケンキュウ オヨビ トウケイ ブンセキ

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抄録

本研究の目的は、観光ビジネスの国際競争力を構成する諸要因を特定し、観光の経済効果に最も貢献する要因を究明することである。そのために理論的な分析とともに、グローバル観光産業の国際競争力モデルの構築および実証分析を行った。本研究では、Porter(1995)のダイヤモンド・モデルを基本的な理論的フレームワークにして、観光産業のオリジナルな産業特性を考慮し、観光ビジネスの国際競争力に影響を与える要因を以下のようにまとめた。(1)天賦的観光資源、(2)「つくり上げられた」観光資源、(3)観光需要、(4)関連支援要素、(5)観光目的地管理、(6)外部環境、(7)人的資源開発の7つである。観光の持続可能な発展において、これらの影響要因は競争次元において均等な役割を果たしているのではない。一般的に、観光ビジネスの国際競争力の獲得のためには、観光目的地における豊富な観光資源、優位性のある観光価格、絶好な立地条件などが競争の決定要因として重要視される。だが、様・々な国や観光目的地を考察すると、これらの要素は、必ずしも観光目的地の経済効果に結びつかないことが分かる。観光産業は、ホスピタリティ産業であると同時に知識産業であり、産業の国際競争力に影響を与える様々な要素の中で、ハード要素よりソフト要素が競争優位の源泉となる。本研究は42カ国のデータをベースに統計分析を行った。その結果、マネジメント能力の創造または発揮する主体となる観光人材の開発が観光の経済効果に最も貢献している「ドミナントな要素」である可能性が高いことがわかった。

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参考文献 (15)*注記

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