「ポラーノの広場」論 : 初期形態と最終形態

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タイトル別名
  • A Study of "Polano no Hiroba" : The Early Text and the Final Text
  • ポラーノ ノ ヒロバ ロン ショキ ケ

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抄録

童話「ポラーノの広場」には、初期形態(鉛筆稿)と最終形態(黒インクによる修正稿)の二種類がある。前者の鉛筆稿の執筆は昭和二〜三年頃、後者の修正稿は昭和六〜七年頃の成立だが、そこにはその改稿に照応した作者賢治の考えの変化-物々交換の制度を理想とした自給自足経済方式から、製品の商品化を前提とした産業組合方式是認への変化=転換-がはっきりとうかがえる。本稿では、そうした初期形態と最終形態の相違を作品に即して具体的に検討するとともに、賢治の内的変化の推移を明らかにする。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 37 (3), 42-53, 1988

    日本文学協会

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